久しぶりの宮司独り言。
新型コロナウイルスの影響で自宅に居る時間が多くなったためか、毎日いろいろな方がお詣りにいらっしゃるようになりました。
昇殿祈祷は受付でお申込み頂いておりますが、賽銭箱前の向拝でのお詣りに関しては参拝者の自由にお任せしています。基本的には参拝者同士で心使いし合って頂ければ良いと思っています。特に注意事項のように貼紙をするつもりはありませんが、だいたいの不文律と言いますか習慣のようなものが出来ています。ざっとこんな感じでしょうか。
◯祓詞、唱え詞(人によってはお経をあげる人も・・)は声を出さない、あるいは小声(微音)で唱えてください。他の参拝者の気が散って集中出来なくなることがよくあります。
◯長時間の祈りを捧げる方は正面を占有しない。賽銭箱・御鈴前を外して左右どちらかの駒寄前で行なってください。
◯米・塩・酒などを社殿前に置く場合はカラスなどが悪戯しないように考慮してください。
酒類については社前殿前に撒いたり、蓋を開けて放置するのは厳に慎んで頂きたい。
◯感染症予防のためにお詣りを待つ際、ある程度の距離を保ってください。(これに関しては今まで神社から何も案内はしなかったのですが、皆さん自然とそうなさっておられるので非常に感心しています。)
社殿前でのお詣りは自主性に任せていますので、参拝方法もご自由です。お尋ねがあれば「二礼二拍手一拝」、祓いの唱え詞、作法の意味などご説明いたします。殿内に上がられたならば、神職の案内指導に従って頂きますが、社殿前では各自の信仰を尊重しております。参拝者の中にはお経、例えば般若心経を(口の中で無音で)奏上する方もおられます。
社殿向かって右側に一から百までの数字を記した札があります。これは「お百度詣り」をする時の回数を数えるための「百度札」です。出発点の「百度石」は鳥居横、手水舎向かいにあります。
また、いわゆる“逆に祈る”ことは止めて頂きたいと思います。誰かを呪うことです。人を呪うことと公序良俗に反する祈りはおやめください。
稀に、無明か何かの誤解からくることと思いますが、神様に対して礼を失した参拝をする方を見受けます。気持ちはわからないではないのですが、結果として礼を失していること。それは酒類を撒いたり、容器の蓋を開けて放置することです。自宅庭の祠ならばそれで良いと思いますが、神社の宝前でしてはいけません。
参拝の時に前に供えた物は、拝礼後にそのまま撤饌として持ち帰って食すのが良いことあり基本です。未開封の奉献酒は後刻、神社神職が社務所に取り込みます。それは奉献酒として預かった物と認識して、神社の四時祭の時に用いることもあります。封を開けるか開けないかでは意味合いが全く異なることをご理解頂ければ幸いです。